薬指の標本 / 小川洋子
内容
短編小説が2つ入っています。
薬指の標本
薬指をなくした女性と何でも標本にしてくれる店のオーナーの恋愛小説。
六角形の小部屋
結婚を考えていた彼氏を突然理由もなく恨むようになってしまい、戸惑い傷ついた女性が「語り部屋」に出会う話。
感想
これは恋愛小説というのでしょうか。
薬指の標本なんてちょっとホラーだったよ。女性がオーナーの色に染まって引き返せないところまでいってしまった、という感じで怖かったなー。
文体は相変わらず美しいのでホラーという言葉が正しいのかは分かりませんが。
「標本」も「語り部屋」も、純粋に自分の心と向かい合って、けじめをつけるためのものなのかなーと思いました。
小川洋子さんの小説を読むと、苦しいほどに真摯で優しくて哀しくなってきます。
私はすごい好き( 一一)
お気に入り度
★★★★