メメント
内容
ある日、自宅に押し入った何者かに妻を強姦され殺害された主人公・レナードは現場にいた犯人の1人を射殺するが、犯人の仲間に突き飛ばされ、その外傷で記憶が10分間しか保たない前向性健忘になってしまう。
復讐のために犯人探しを始めたレナードは、覚えておくべきことをメモすることによって自身のハンデを克服し、目的を果たそうとする。出会った人物や訪れた場所はポラロイドカメラで撮影し、写真にはメモを書き添え、重要なことは自身に刺青として彫り込む。しかし、それでもなお目まぐるしく変化する周囲の環境には対応し切れず、困惑して疑心暗鬼にかられていく。
果たして本当に信用できる人物は誰なのか。真実は一体何なのか。
Wikipedia より
感想
結末を想像できるワードが含まれています。ご注意ください。
記憶のお話です。
一連の出来事の”見せ方”にとことん追求した映画だと感じました。
一連の出来事の結末を見せて、どうしてその結末に至ったかという構造は倒叙ミステリーのようですが、楽して観させてくれないところが、クリストファーノーラン監督らしいです。
ポイントは主人公の記憶力に合わせた映像になっているところ。
例えるとしたらこんな感じでしょうか?
Zという出来事が起こりました。
↓
X+YがあってZが起こりました。
↓
X+Yに行く前にはWがありました。
こんな見せ方をしているからややこしい。鑑賞者は頭の中で場面と場面をうまく繋ぎ合わせてみていかないといけません。
この見せ方の面白いところは、さっきまでいい人だと思っていた人が実は悪い人だったとわかるところです。
主人公は次々記憶を忘れるので、少し前の嫌な出来事は覚えていません。主人公が覚えていないのだから当然画面には出てきません。だけど、この出来事にくるまでにこういうことがありました、という過程をみると「こいつ悪いやつじゃん!」と思える人が出てくるのです。
そして最後まで観ていると、今まで思考の支えとしていた主人公にさえも疑惑が芽生えます。
事実にないことをあったと思い込んでしまうこと(逆もある)や自分の都合のいいように記憶を書き換えてしまうこと、そんな人間の記憶力のいい加減さをテーマにした映画でした。
「ダンケルク」もそうだったけど、話の筋よりもテーマの本質を映像化したい監督なのかな~と思いました。
お気に入り度
最近仕事が忙しかったので1回しか観れなかったのが残念です。何が真実かよく分からなかったのでチャンスがあればもう一度観たいです!
★★★