いかえるの感想日記

本や映画を”お気に入り度”によって評価しまとめています。

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 / 村山斉

 

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

 

内容

 

広い宇宙にはどんな世界が広がっているのか。わたしたち人類にどんな影響があるのか。始まりはあるのか。どこに向かっているのか。

古くから多くの人によって考えられてきた問題を解き明かしつつ、現在の研究にも触れています。第1版発行が2011年で第12版発行が2017年の書籍なので、内容がやや古いのかもしれませんが、基本的な考えの土台はあまり変わらないです。何より説明が分かりやすいです。

 

感想

 

説明が分かりやすいです!

 

中でも勉強になったのは、異次元についてです。

 

人間は三次元の空間に生きているけど、実は宇宙にはもっと他の次元が存在します。
そのことは分かっているけど~。他の次元って何?どういうこと?
ずっと疑問に思っていました。

 

本書の中で、人間が異次元を感じられない理由について書かれてあり、異次元について何となく感覚的に分かったような気がしました。

 

私たちの住む宇宙に三次元空間とは別の方向があるとしたら、どうして今まで気がつかなかったのでしょう。一番有力な理由は、三次元以外の次元はすごく小さいというものです。例えば、綱渡りをしている人がいます。この人から見ると、動くことのできる方向はロープに沿った向きしかありません。ロープを進むか戻るだけです。この場合、ロープの端から二〇メートル先というように、数字を一つ決めてしまえば場所は決まります。綱渡りをしている人にとって空間の次元は一つだけです。つまり、この人は一次元の世界にいることになります。
それでは、ロープの上は本当に一次元なのでしょうか。もし、このロープの上にアリがいたとしたらどうなるでしょう。アリは体が小さいので、ロープに沿って動くだけでなく、ロープの径に沿ってグルグルと回ることもできます。したがって、アリから見ればロープの上は二次元の空間になるわけです。人間にとってはロープの径は小さいので、その方向に動ける次元があると気づくことはできませんが、アリは二次元だと気づくことができます。
つまり、人間の目では大きなものしか見えないので、三次元空間しか見ることができないということです。顕微鏡のようなミクロの視点で見ると、他の次元が見えるかもしれないというのが基本的な考え方です。

 

それから、お気に入りの箇所。
宇宙は音を奏でていたという考えがでてきます。
私は、宇宙と音楽が根本的なところで関係がある、という話が大好きです。
宇宙と音楽が大好きなので、無理やりそう考えたいのかもしれません( ゚Д゚)スイマセン

 

シェイクスピアの「十二夜」に、”天上の音楽”というフレーズが出てきます。その単語を目にしたときから、私は宇宙と音楽には深いつながりがあると信じてきました。なぜかはわかりません。
調べても関係性はありませんでしたが、星座の数とピアノの鍵盤の数がともに88つあるのも、何か意味があると思うんだ!

 

若い頃の宇宙がなぜ、大事なのでしょうか。その頃の宇宙の様子を私の同僚の杉山直氏は宇宙交響曲と表現しています。なぜかといえば、宇宙の初期は音に溢れていたからです。


ビッグバンが起きた後は、暗黒物質や光がたくさんありました。暗黒物質は大きな重力でお互いを引っ張りますから、密度が濃いところをもっと濃くしようと思います。一方、光にも少しだけ圧力があります。圧力があるということは、集まってくるものを押し返す力があるわけです。


暗黒物質が引っ張り、光が押すとなると、引っ張られて押されてと、振動することになります。物質の振動とは、言い換えると「音」と同じです。私たちの耳に聞こえる音も、物質が振動して発生します。それが空気を振動して私たちの耳に入ります。それと同じように、ビッグバン直後の宇宙も物質が振動して、音に満ちていたことになります。たくさんの物質が振動して、いろいろな音色が交ざりあう。ですから、交響曲というわけです。

 

本書の引用部は、音に溢れていたのは”宇宙初期のころ”と述べていますが、きっと今も宇宙のどこかで音が鳴り続けていることでしょう。
”天上の音楽”はきっと無機質でそっけない音の集まりのような気がしますが、自然が紡ぎ出す音だと考えると、この世界が愛しくなってくるぞ~。 

 

 

お気に入り度

 

★★★★