いかえるの感想日記

本や映画を”お気に入り度”によって評価しまとめています。

3月のライオン(9) / 羽海野チカ

 

 

内容

 

中学3年生のひなたは自分の進路の事で悩んでいた。やりたい事は分かっているのに手を出してはいけない気がして・・・

そんな彼女を暖かく見守るひなたの家族と零。

一方、名人戦では宗谷名人の幼い頃からのライバル土橋九段が宗谷との激闘を繰り広げていた。いまだに宗谷に及ばない土橋を懸命に支える彼の家族・・・。

本当に大事な人って誰ですか?

この命題を問いかけます。

 

裏表紙より

 

感想 

 

将科部の人と流しそうめんをして、ヒナちゃんは桐山の高校に入学することを決めます。受験です!桐山とヒナちゃん、一気に距離が縮まりますね。

 

桐山「ああ・・・これはね 補助線を引くといいんだよ」

ひなた「どのあたりに引くといいの?」

桐山「まず一番さみしそうなところに引いてごらん?」

 

桐山の教え方がおしゃれw
小説みたいで素敵な表現です。

 

ーーそれまで僕は自分が「正しい」か「間違ってる」かは裁判みたいに他人に決めてもらわないといけない事だと思っていた。

だけどあの日「私のした事は間違っていない」と不安でいっぱいの中でも決して自分の心の舵をしっかり握って放さない彼女に 僕は自分の中には無かった光を見つけた

ーーそうだ 僕の一部分は間違いなく

ーーあの日彼女に作ってもらったんだ

 

桐山が、ヒナちゃんのことを「川本家の一員」ではなく「一人の人間」として好いているのだと分かるところです。なんか甘酸っぱいな~。

 

そして、9巻では宗谷名人と土橋九段が戦います。棋譜を見て土橋九段の勉強量に圧倒された島田八段。前夜祭のゲストとして招かれて記者の前で島田さんはこんなことを話します。

 

家に戻ってから私も何度か駒を並べてみたのですが ここまで徹底的にあらゆる場面を想定していたのかと土橋九段の深く潜った研究の跡に震えました。

自分の事を「努力家」だと思って今までやって来ましたが土橋九段の初戦の棋譜を見ていたら自分の努力など自己満足の範疇だったのではーーと正直今 バツが悪い気持ちでいっぱいです。

ーーけれどいい薬になりました 自分も気をひきしめて今シーズン頑張ります。

 

なんて正直なんだ!こういったさりげないところに島田さんの良さがにじみ出ています。かっこいいなあ。

 

土橋九段は宗谷名人相手に上手く戦ったのですが、負けてしまいます。土橋さんの家族は「あれだけ時間を削って勉強しても敵わないなんてどうすればいいの?」と悲しい気持ちで土橋さんの帰りを待ちます。
しかし土橋さんはそんな両親の心配を打ち消す程、あっけらかんとした態度で帰ってきました。どんなに研究しても宗谷と戦っている最中にまた新しい将棋の可能性が見えてきた、1人研究していたら時間がかかるから宗谷と一緒に研究することになった、と。

マイペースな土橋さん。いいなあ。きっと、果てしない努力を重ね続けているという自負があるからこそ、マイペースに振舞えるのかな~と思いました。

 

 

お気に入り度

 ★★★★★

3月のライオンは好きなシーンが多くて引用ばかりになってしまいます( 一一)