3月のライオン(13) / 羽海野チカ
内容
三月町の夏まつりで島田と初めて出会い、あかりと林田は、思いがけずそれぞれに転機を迎えることに。
八月に開催される真夏の戦い・東洋オープンで、二階堂は”宗谷を倒した男”になるべく、負けん気をたぎらせる。
彼の指す将棋の駒音が、零や宗谷や滑川達、他の棋士達の胸中にまで響き渡っていく。
裏表紙より
感想
13巻は
・イケメンタルな島田さん VS 頼りない男、林田先生
・宗谷名人 VS 覚醒した二階堂
・まさかの滑川が主人公
・香子さん、愛を知って大人になる
といった盛りだくさんな巻でした。
島田さんは落ち着いていて自然体なところがやっぱりかっこいいです。そして林田先生は落ち着かなくて頼りないけど、憎めないし一緒にいて気疲れしなさそうなところが魅力的です。二人のことをあかりさんは、失った父に重ね合わせて見ているような気がします。 恋愛に発展するのかな~。楽しみです。
宗谷がどんどん人間らしくなっていく(笑)行動が少し幼いところが彼っぽくていいです。
そして二階堂も、病気というハンデを背負っていてもとてもパワフルで応援したくなります。いいところまでいっても病気に邪魔されることが多く、いい成績を上げられないことが多かったのですが、いつか彼にも大勝利をおさめる日がくるのでしょうか。
島田さん、対局中にも関わらず二階堂の体調が悪いことに気がついて、名前を呼ぶの素敵です。二階堂が倒れたときに手を差し伸べる後藤も素敵だったなあ。
度々登場する滑川。顔も死神、行動も死神で怖いけど、彼は彼で普通の悩み事があるとわかり、好感がもてました。
滑川
「ーーしかし私は自分の将棋につんざくような閃光を見出せない
他人の将棋にばかり心奪われる
他人にばかり憧れる
愛する棋士たちと面と向かって駒を交えてもうっとりしながら顕微鏡で眺めまわしているだけのような気持ちに襲われる
愛しすぎて少しでも心を見せて欲しくて迷路のような手を指してしまう」
(略)
滑川弟
「トリッキーな手を指しちゃうのも相手じゃなく自分を追い込む為なんでしょ?
結局マジメなんです 兄ちゃんは
ーー僕は好きですけどね 真面目で不安定な兄ちゃんの将棋」
あとは香子さんね。後藤と接するうちに零の孤独に気がつきます。
香子さんは今まで精神的に不安定なことが多かったです。そんな状態だから気がつかなかったのだと思います。
そう考えると後藤は、ちゃんと香子さんに愛情を注いでいたのだと分かります。それってなんだか尊い!
後藤とお別れする時が近づいてきたのと、零の孤独を思ってしんみりする話でしたが、香子さんも無事に成長したんだな~と安心しました。
お気に入り度
★★★★★
「3月のライオン」は庶民的なご飯が毎巻出てくるところが好きです( 一一)