読んだだけで味覚がよろこぶ、磨かれる 試したくなる。おいしいワインに出会う本 / 田中克幸
内容
本著によれば、ワインは濃く渋いものほど評価が高くなる傾向があるようです。
だけど仲間とわいわいホームパーティーで飲むときは、拡張高い重厚なワインよりも、さっぱりとした軽いワインが飲みたくなるでしょう。
味に優劣をつけず、ただ純粋に、横並びに、味を比較するのがこの本のテーマとなっています。
ワインの味がどのようにできるかを知り、飲みたいワインを自分で選べるように教えてくれる1冊です。
感想
ワインは何だか難しいと思っていましたが、基本を押さえれば意外と単純で、奥深く興味深かったです。
ワインの味は以下の4つから出来ると説明しています。
1、土地
2、天候
3、人為
4、品種
例えば土地であれば、畑が水辺に近いとしっとりした味に、山辺にあるとくっきりした味になります。
ちなみにしっとり味の代表は、湯豆腐、しゃぶしゃぶの肉、煮魚。くっきり味の代表は、赤み肉のステーキ、野菜スティック、たたみいわしとなります。
このように両極端な味覚を並べ、あっちはああいう状況で、こっちはこういう状況で生まれると述べています(もっと詳しく書かれていますが割愛します)。
それから、味覚を語るのは難しいと思っていたのですが、著者はとても表現力豊かでした。
上記の、「しっとり・くっきり」をこう表現しています。
しっとりとは、たとえば湿り気を帯びたような、やさしく包み込むような、コントラストの低い、やわらかい、春がすみのようなワイン。
(中略)
反対に、くっきりとは、たとえば、厳格で、知的・分析だったり対峙的だったりする、メリハリの効いた、かたい、澄んだ冬の空気のようなワイン。
ワインのこともそうですが、著者の表現力も勉強になると感じました。
お気に入り度
★★★★★
あと、おもしろかったのは、ぶどうの品種を擬人化して、性格から特徴を説明するところです。ユーモアで分かりやすい。
久し振りに図書館で借りた本ですが、手元に置いておきたい1冊です。