戦場のピアニスト
内容
1940年、ドイツ占領下のポーランド。ユダヤ系ピアニスト、シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は家族と共にゲットーへ移住。やがてユダヤ人の収容所移送が始まり、家族の中で彼だけが収容所行きを免れた。食うや食わずの潜伏生活を送るある日、遂に1人のドイツ兵に見つかる。
引用元
解説・あらすじ - 戦場のピアニスト - 作品 - Yahoo!映画
感想
ユダヤ人が出てくる映画は、私は「ライフ・イズ・ビューティフル」も観たのですが、よりリアリティがあるという点で「戦場のピアニスト」をおすすめしたいです。
「ライフ・イズ・ビューティフル」は哀しみとユーモアの調合具合がいい。
そして曲もいい。
ネタバレあります。
ユダヤ人迫害の狂気がとても伝わってきました。
衣装も舞台も細かいところまで丁寧に作り込まれているのも当時の時代を反映していてよかったです。人を人として扱わない、衝撃の出来事の連続でそれがまた当然のように行われているので恐ろしかったです。
そして一番心に残ったこと。
音楽ってすごい。
赤字で書くことか?って思うかもしれませんが、本当にすごいですよ?(*_*)
ユダヤ人であるシュピルマンはドイツ兵から逃げます。戦争が終わりドイツ兵が退くのを廃墟の中で息をひそめて待つのです。しかしドイツ兵のホーゼンフェルトと出会ってしまいます。
絶対絶命!
ホーゼンフェルトはシュピルマンがピアニストだと知ると、廃墟の中で生き残ったピアノを見せて「弾いてくれ」と命令するのです。
その演奏シーンが幻想的で素晴らしい。このシーンのためにこの映画が作られたのだと思うほどに。
実際にこのシーンを盛り上げるためのシーンが前にありました。ゲットーから抜け出した後、友人が提供してくれた空き部屋での出来事です。その部屋にはピアノがありました。しかし音を出すと隣人に人がいると気づかれてしまいます。シュピルマンはどうしたか?
シュピルマンはピアノの鍵盤に触れずに音を奏でるのです。
(目の前にピアノがあるのに弾くことが出来ないなんて…。)
そんなことがあったので、敵であるはずのホーゼンフェルトの前でシュピルマンが演奏するシーンにはぐっときました。シュピルマンはこんなにも美しい心を持っているのに…。
隙間から差し込む光が尊い。
音楽は国境を越えて人の心に響くんですね。
曲目はショパン バラード第1番 ト短調 作品23です。
曲のチョイスもたまらないな~。水面に垂れる水滴のような静けさもありながら身を焦がすような情熱もあって、心をかき乱される~。不安定な情勢だから余計に。
Krystian Zimerman - Chopin - Ballade No. 1 in G minor, Op. 23
そしてエイドリアン・ブロディがまたよかったよ~~。
何度も絶望の淵に立たされながら、芸術家としての品を捨てずに生にしがみついている演技に胸を打ちました。
お気に入り度
★★★★