死ぬほど読書 / 丹羽宇一郎
内容
丹羽宇一郎さんの読書観がわかる本です。丹羽宇一郎って誰?って思う人はwikipediaをご覧ください。何かすごい人みたいです。
伊藤忠商事の社長時代、多額の負債を短期間で返済し、黒字経営まで回復させた経験があるらしいです。規模が大きすぎて私にはよく分かりません。
感想
人の読書観に首を突っ込まずにはいられない性分ですので、さくっと読んじゃいました。
読んだ感触としては、高級フレンチのコース料理の前菜を食べているような感じでした。品がよくてお洒落でふわふわするあの感じ。見たことのある食材がよく分からない調理方法によって生まれ変わっていて気後れするあの感じ。
何が言いたいかっていうと、丹羽さんの経歴がすごすぎるんだよ~。
共感できるところもあるし、面白いな~と思うところもあったけど、育ちが違いすぎてあまり近くに置きたくない本かも( ゚Д゚)
自分の経歴を自慢気に書いているわけではないけど、素直にすごいと思えないのは何故だろうか。
丹羽さんは、人間とは何か?というテーマのもと人生を歩んでいるような気がしました。
そして本を読む行為は、人が人とともに生きていくために必要な理解力や思考力を高め奥行きと深みのある人間を形成すると言います。
人は自由という価値観を求めて、長い間、闘ってきました。努力し、工夫し、発明して進歩してきた果てに、いまの自由な社会はあります。それは人類史上、かつてないほど自由度の高い環境といっていいかもしれません。しかし、「何でもあり」の世界は一見自由なようですが、自分の軸がなければ、じつはとても不自由です。それは前に進むための羅針盤や地図がないのと同じだからです。それらがなければ、限られた狭いなかでしか動けません。
では、自分の軸を持つにはどうすればいいか?
それには本当の「知」を鍛えるしかありません。読書はそんな力を、この上なくもたらしてくれるのです。
仕事というのは、お金を報酬としてもらうものとは限りません。さまざまなボランティアもそうだし、困っている人々のために働いたり、身体を動かすこともそうです。
仕事を通して人はさまざまな経験を積み、人間への理解を深めていけるのです。仕事もせずに趣味だけに生きていても、人としての成長はないと思います。
これ(※アレクシス・カレル『人間ーーこの未知なるものは』)を読むと、人間がいかに謎めいていて、複雑な生き物であるかがよくわかります。人間とはこういうものだ、といった安易な結論を出すことは無知ゆえの怠慢であり、怠惰だと思います。人間とは何か?という問いに対し、人は謙虚でなくてはならない。この本はそんなことをシンプルに教えてくれます。
問題があるということは、懸命に生きている証です。
困難な問題に直面したときに必要なのは、その状況を冷静に見つめながら、前向きに考える謙虚さです。過信や自己否定がそこにあってはいけない。
どんなに苦しい状況に陥っても、それは天が自分に課した試練だと私は思っています。そこから逃げることなく、正面から受け止めてベストを尽くせば、必ず知恵と力が湧いてきます。思わぬ閃きも生まれる。そうして不可能だと思っていたものに、光が見えてくる。その源泉となるのが読書と経験です。
とくに多くの本を読んできた人は、先人たちの知識や経験からいろいろ学ぶことによって、突破口を開く気づきや心の強さを得られると思います。
問題をあらゆる角度から眺め、あらゆる可能性を探るには、読書で得た知識や考え方、想像力といったものが大きな力になるはずです。
つまり本で読み、心に刻まれた内容は、必ず生き方に表れる。
そうなるためには、心に響く言葉は反芻してじっくり味わい、さまざまな体験について、それを洞察する視線を常に持っていないといけません。
心にシワが多い人は、人と向き合ったとき、相手の心のシワがどのくらいあるのかが、わかります。反対にシワが少ない人は、たとえ相手がたくさんのシワを持っていても、それを感じることができません。
いやあ、たくさん引用しましたね~。
恐らく丹羽さんは良い人なんだと思います。だけど、知らない人に正論言われても素直に受け止められないときってあるじゃないですか?だから素直にすごいと思えなかったのかもしれません。
そうは言っても勉強になることも多く、読めてよかったです( 一一)
お気に入り度
★★★