いかえるの感想日記

本や映画を”お気に入り度”によって評価しまとめています!他にも、お出かけしたことや音楽について感想を書いています。

【至上の印象派展 ビュールレ・コレクション】に行ってきました!

 

ビュールレ・コレクションに行ってきました!
テレビで取り上げられたものを見て、面白そうだなーと思ってたのですが、GW中に行くことができました( `ー´)ノ
西洋絵画はまだまだ勉強中でよく分からないことも多いのですが、楽しかったです!

 

www.buehrle2018.jp

 

 

 

 

ビュールレ・コレクションとは?

ビュールレさんが集めた美術品です。
ビュールレさんは武器商人として成功し、美術品を集めていました。
ただその集め方がすごいらしい。お金持ちがなんとなーく揃えたのではなく、ビュールレさん自身、美術品への造詣が深く、印象派やポスト印象派の絵を中心に、時代の流れが分かるように集められているのです。

 

BS日テレにて放送「ぶらぶら美術・博物館」
山田五郎さんの解説がいつも分かりやすい!
ビュールレ・コレクション展の放送は、5/22に再放送します。
↓ 番組で紹介した内容がまとめられています(*´Д`)

www.bs4.jp


展覧会の構成

展覧会では、基本的に部屋ごとにテーマがあります。
今回の展覧会のテーマは、以下のような流れでした。

 

第1章 肖像画
第2章 ヨーロッパの都市
第3章 19世紀のフランス絵画
第4章 印象派の風景ーマネ、モネ、ピサロシスレー
第5章 印象派の人物ードガルノワール
第6章 ポール・セザンヌ
第7章 フィンセント・ファン・ゴッホ
第8章 20世紀初頭のフランス絵画
第9章 モダン・アート
第10章 新たなる絵画の地平

 

写実的な絵から、印象的な絵、そしてポスト印象派への移り変わりを感じられて面白かったです。
今まで自分の絵の好みがよく分かっていなかったのですが、印象派・ポスト印象派の絵っていいなーと思いました( ゚Д゚)

 

いくつか心に残った作品を紹介します。 

 

第2章 ヨーロッパの都市より

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アントーニオ・カナール(カナレット)

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂ヴェネツィア
1738-42年 油彩、カンヴァス

 

カナレットの絵はとても繊細で、今にも人々が動き出すのではないかと錯覚するほどでした。当時はグランドツアー(私的な旅行/フランス・イタリアが主な目的地)のお土産として写真の代わりに買うのが流行っていたようです。

グランドツアー - Wikipedia

 

カナレットの絵も素晴らしいのですが、シニャックの絵もよかったです。

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ポール・シニャック

《ジュデッカ運河、ヴェネツィア、朝》
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂
1905年 油彩、カンヴァス

 

カナレットとシニャック。同じ場所をテーマにしていますが、描き方が全く違う。
シニャックの淡い色彩は洋菓子みたいにかわいい。

 

第4章 印象派の風景ーマネ、モネ、ピサロシスレーより

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アルフレッド・シスレー 1

《ハンプトン・コートのレガッタ
1874年 油彩、カンヴァス

 

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アルフレッド・シスレー 2

《ブージヴァルの夏》
1876年 油彩、カンヴァス

 

マネとモネは有名ですが、シスレーの絵も風景の中に勢いがあって気持ちがよかったです。
私は人物画よりも風景画が好きかもしれないな~。

 

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クロード・モネ

《ヴェトゥイユ近郊のヒナゲシ畑》
1879年頃 油彩、カンヴァス

 

それから、このモネの絵!
73×92センチと、絵も大きくて、すごいインパクトがありました!
ヒナゲシ畑と遠くに見える西洋の家が、ぼやーっと描かれていてメルヘンでした。空が曇っているのも何だか雰囲気があってよいです。
この絵のクリアファイル買っちゃった~。

 

第6章 ポール・セザンヌより

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ポール・セザンヌ

《庭師ヴァリエ(老庭師)》
1904-06年 油彩、カンヴァス

 

セザンヌの絵って色彩が綺麗というわけでもないし、特別絵がうまいわけでもないのに何故か買いたくなっちゃうんですよね。
山田五郎さんが言うには、セザンヌの絵は「人体の比率よりも絵画としてのバランスや心地よさを優先している」とのこと。
そう考えると、濁ったようにも見える色合いが、心落ち着かせてくれる色合いに見えてきます。手元に置きたくなるわけだ( 一一)
セザンヌいいね。

 

第7章 フィンセント・ファン・ゴッホより

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フィンセント・ファン・ゴッホ

《日没を背に種まく人》
1888年 油彩、カンヴァス

 

山田五郎さん曰く、今回の展示ではゴッホの全時代を追うことができるのだそうです。
ゴッホの生涯と作品についてはぼんやりと知っていましたが、並べてみると作風が変化していたことに気がつきます。
私はゴッホの絵の、大胆で直接訴えかけるような力強さが好きですが、私が好きな絵はアルル時代に描かれていたものが多かったことが分かりました。
「ドービニーの庭」や「糸杉と星の見える道」といった晩年の療養時代の絵は、なんだかうにょうにょしていて、おどろおどろしいです( 一一)
それよりも「ローヌ川の星月夜」「夜のカフェ・テラス」といったアルル時代の作品が好きです。

 

今回展示されていた「日没を背に種をまく人」は、アルル時代の作品です。和室に飾りたくなる絵で面白いな~と思っていましたが、ゴッホは浮世絵の影響も受けている画家なので、もしかしたら日本をイメージして描いたのかもしれません。

 

おわりに

この記事では、私が気に入った作品を中心に紹介しましたが、ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」や、モネの「睡蓮の池、緑の反映」といった有名な作品も展示されています。
ビュールレ・コレクションは5月7日まで国立新美術館にて開催しているので、気になった方は、ぜひ足をお運びください( `ー´)ノ