いかえるの感想日記

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お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ / 糸井重里・邱永漢

 

お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ (PHP文庫)

 

内容

 

お金は魔性の女なのか?「お金の神様」邱永漢に「お金に不自由」な糸井重里が聞き出した、現実的でロマンチックな「お金と人生」の話。

 

引用元

https://www.amazon.co.jp/お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ-PHP文庫-糸井-重里-ebook/dp/B013HHSQ2G

 

感想

 

本書は、糸井重里さんと邱永漢さんの対談を本にしたものです。
対談と言うと、あるテーマに沿って話し会う、みたいな感じだと思うんですけど、この本はもっと緩いです。好きなときに好きなことを話しているので、話は脱線するし、結論がなかったりします。
でも、本当に不思議なんですけど、ちゃんと面白いです( 一一)

 

面白いのはきっと、お二人がいろいろな人生経験をされているからでしょう。
話に説得力があるんですよね。

 

まずは、お二人のプロフィールを。

 

糸井 重里(いとい しげさと、1948年11月10日 - )は、日本のコピーライター、エッセイスト、タレント、作詞家。株式会社ほぼ日代表取締役社長。株式会社エイプ代表取締役。フィールズ株式会社社外取締役。妻は女優の樋口可南子。愛犬はジャック・ラッセル・テリアのブイコ、日本モノポリー協会会長。血液型はA型。身長174cm。

 

邱 永漢(きゅう えいかん、1924年3月28日 - 2012年5月16日)は、日本および台湾の実業家、作家、経済評論家、経営コンサルタント。株式会社邱永漢事務所代表取締役。旧本名は邱炳南、帰化後の本名は丘永漢。初期の筆名は邱炳南および丘青台。株の名人で「金儲けの神様」と呼ばれた。

 

Wikipediaより引用

糸井重里 - Wikipedia

邱永漢 - Wikipedia

 


読む前から、糸井重里さんのことは知っていました。「ほぼ日手帳」の社長だし「となりのトトロ」のお父さんの声もやっていましたよね。
特に、ほぼ日手帳の方面(?)では毎年愛用しているのでお世話になっております( `ー´)ノ使いこなせているかは謎ですが、毎年発売されるのを楽しみにしています(2020年版の発売まであと少し…!)。

 

邱さんは…恐縮ですが、知りませんでした。
でも、糸井さんが「邱さん、邱さん」って慕っているんですよね。
邱さんにとてもよく興味を持たれていて、どういう風に生きてきたのか、どういう考えを持っているのか、なんでその考え方なのか、たくさん質問をしていて、返ってくる言葉の1つ1つに反応しているんです。

糸井:邱さんは、「運」というその言葉を、そういうときに使うんだあ。なるほど。

糸井さんの興味の持ち方も面白いんですけどね(笑)
糸井さんが本当に楽しそうにお話を聞いていたので、邱さんは、きっと只者ではないぞ。
そう思っていたら「金儲けの神様」って紹介されていてびっくりしました(笑)

ただ、本書は金儲けの方法を紹介している本ではありません。
ヒントになるようなことは書いてありますが、実践的な話ではなくて、考え方とか生き方とかそんな話が多いです。

 

邱 :これは友だちづきあいについてもいえることですが、友を選ばば、強気八人、弱気二人といっているんです。
糸井:ああ、これはメモが必要なことだよねえ。なるほど。
邱 :強気ばっかりだったら、暴走する。
糸井:そのほうが楽しいんですけどね。
邱 :楽しいけども、アウトになったらそれでおしまい。弱気が二人ぐらいはいて、ちゃんとうしろから引っぱってくれていて、「それやったら危ないよ、危ないよ」っていってくれるぐらいで、ちょうどバランスがいいというか。

 

邱 :常識なんて経験によって生み出されたものです。自分が自分の常識で考えて「こうだ」と思っても、それを否定する現象が起これば、自分のものさしのほうが間違ってるかもしれないなあとぼくは思います。
糸井:なるほどなあ。
そうすると、自分の居場所も、いつでもくるくる移動してるのでしょうか?
邱 :世の中に変化があると、「自分のものさしが間違っていたかもしれない」といつも疑ってかかりますし、自分の価値観を絶えず修正していますので、自分の考え方を唯一のよりどころにはしておりません。
糸井:そうかあ。ということは、自分という確固としたものがあるというよりも、そんなものはないならないで当たり前だと考えているのでしょうか。
邱 :人間には、そういういい加減なところがあるんです。

 

人生経験が豊富なお二方の言葉は、とても勉強になります。


そして不思議だったのは、お二方が意外とお金に執着していないこと。
今まで「お金をちゃんと考えることから逃げまわっていた」からお金について考えるのかと思えば、何にお金を使いたいか?とか、どういうことを考えれば事業が成功するのか、とかそんな話ばかりなんですよね。
お金について考えてはいるけど、根底には必ず、お金は何かを成し遂げるための手段という前提条件が見えてくるんです。
そこには、少しもお金に執着している様子が映っていません。
だからお二人の対談は、終始おおらかで和やかで清々しい感じがするのです。

 

糸井:邱さんは、未来の話をとっても生き生きと語ると同時に、過去というか、遠い昔のところにももう一つ目を持ってらっしゃいますよね。この両サイドを見る見方みたいなのは、何なんでしょう?
未来の話をしているはずで、過去の目を捨て切っているはずなのに、大昔の人がいったことと同じじゃないかというふうに循環しているようにも思えるんですけれども……。
邱 :それはもう、人間の愚かさは、変わらんもの。
糸井:……ああ。その一言だよなあ。

 

本書はAmazon prime会員であれば、無料でkindleで読むことができます。
興味がありましたら是非読んでみてくださいね~。

 

邱さんは、残念ながら、2012年にお亡くなりになっています。
こんな人がいた、なんてことを知らなかったなんて、惜しかった…。
私も邱さんに興味が湧いたので、何か彼の本を読んでみたいな…( 一一)

 

それではこの辺で~。

 

お気に入り度

 

★★★★