三月のライオン(5) / 羽海野チカ
内容
川本3姉妹、二階堂、島田八段、林田先生...
周りの人々の温かさに少しずつ心溶かされ、学校生活・将棋生活の両面で前を向き始める零。そんな中、明るいひなたの心に影をおとす出来事が...
悲しみと悔しさと強さを宿すひなたの泣き顔に零はある誓いをたてる。
裏表紙より
感想
桐山の孤独が癒されるエピソードの多い5巻。読んでいて心が温かくなりました(TT)
さて、いつものように好きなセリフをあげていきます。
宗谷と対戦した島田が調子を崩したことに対して、柳原さんのセリフです。
タイトル戦でふっとばされた人間はね みな一度は調子を崩す
それはね当たり前
「このままじゃダメなんだ」と番勝負の間に徹底的に思い知るからだ
--そして自分を一回バラバラにこわして再構築を試みるからだ
また一からな
私は、将棋の世界ことは何も知らないのですが、そんな過酷な世界で棋士は戦っているのかと想像することができました。説得力があります。
一から再構築するなんて、そりゃあ調子も崩しますよ。島田さんは今は調子が悪く負けこんでしまうかもしれませんが、いずれ更なる高みへと這い上がってきそうですね。
そんな期待を抱かせてくれる、素敵なセリフです。
それから5巻の後半では、いじめという重いテーマを取り上げていました。ひなちゃんの抱えている問題を、家族みんなで(あと桐山も)話し合って最善の方法を導きだそうとしているところが心にぐっときます。
いじめられてる子を助けたいと思い行動するひなちゃんは尊いし、
他の子よりも自分の妹の身を守りたくて、ひなちゃんに言葉をかけることが出来なかったと悩むあかりさんの気持ちもわかります。
そして、ひなちゃんの勇気ある行動を褒め称え誇りだ、と言うおじいちゃんはすごい。
涙なくしては読めません。
ひなた「後悔なんてしないっ しちゃダメだっ だって私のした事はぜったいまちがってなんかない!!」
その時泣くじゃくりながらもそう言い切った彼女を見て僕はかみなりに撃たれたような気がした。
不思議だ ひとは
こんなにも時が過ぎた後で全く違う方向から嵐のように救われる事がある
桐山がひなちゃんに、プロポーズとも取れる言葉をかける前のシーンです。
ひなちゃんの強い怒りが爆発しています。戦うにはとても体力のいることですが、ひなちゃんもここから這い上がってほしいと願うばかりです。
桐山に関しては、何年も前の心の傷が、思いもよらないところで癒されるとは、なんてドラマチックな展開でしょうか。ひなちゃんが壊れてしまわないように、しっかりサポートしてほしいです!
後藤と香子さんは、思っていたより健全な関係で萌えました!多分二人はさみしいだけでまともな人間なんでしょう。
お気に入り度
★★★★★
クリスマスが終われば年越しまであと少しです。あっという間!
今年を振り替える記事でも書けたらいいのですが、時間がなさそうです(;_;)
今年は映画の趣味の合うお友達ができて、おすすめし合ううちに、思ったよりもたくさん観れていて嬉しかったです。