ある車掌 / 星野源
逃げ恥の主題歌「恋」が大ブレイクした星野源さん。
源さんの曲は好きでよく聞くのですが、中でも「ある車掌」が大好きで特別な思いを抱いています。今回は源さんの「ある車掌」についてご紹介します!
以下歌詞です。
ただ流れる窓の外を
観るだけのお仕事です
どこに行くのかわからないのは
僕も同じさ
ただ流れる窓の外の
思い出を潰しながら
どこに着くのかわからないのは
僕も同じさ僕も同じさ
空を走る夜を翔る
それは本当に?
空を走る夜を翔る
鉄道はここにあるよ
ただ溢れる胸の中の
思い出を掬いながら
どこが最初かわからないのは
誰も同じさ僕も同じさ
「さようなら」も「また逢えた」も
出会った意味すらも
空に消える夜に光る
燃やした日々河になるよ
空見上げる人のかたち
遺伝子の乗り物です
どこに行くにも側にいてよ
誰も同じ
ただ流れる窓の外を
観るだけのお仕事です
どこに行くのかわからないのは
僕も同じさ僕も同じさ
初めは、ある車掌が列車に乗って、窓の外を眺めている曲だと思っていたんですよ。
ピアノの音がとっても静かで素敵だな~とか思っていたんです。
でもよく歌詞を聞いていると、その解釈だと具合が悪くなってくるんですね。窓の外を眺めているだけの仕事ではないし、どこに向かっているのか分からないはずがないし…
で、考えてみると、ここでいう車掌とは、ひとりひとりの人間を指していて、列車はその人間の身体を指しているということに気がつきました。
この歌は、人生について醒めているというか、達観しているのです!
いつも明るくて楽しそうな源さんがこんな歌を生み出すなんて意外に思いました。
だけど、この醒めている視点が不思議と落ち着いてくるんですよね。
私も度々ドライになることがありまして……。
仲のいい友人との飲み会でも、頻繁にあったりすると「この間も飲みに行ったのに、時間とお金を使うのもったいないな~」とか 、趣味の映画鑑賞とか読書とか続けていても、「この趣味でこの先の人生で何か得することはある?ただ快楽に身を委ねているだけじゃない?」とか。自分でドライになっておいて嫌になる瞬間があるんです。
でも、このドライになる瞬間って、この曲でいう
「ただ流れる窓の外を観るだけのお仕事です どこに行くのかわからないのは 僕も同じさ」
みたいなことかなって思うんです。
「どこに行くのかわからないのは、僕も同じさ」「ああ、あなたもそうなんだね」って。
そう思うと心がだいぶ楽になってきます。
結局のところ、人生ってただ「思い出を潰し」ているだけなんです。
生きているうちに、たくさんの人やモノと出会って別れてまた逢えたとしても、死んだ瞬間にゼロになってしまいます。
味気ないし寂しくなる。恐怖すら感じます。
だけどそれでいい。そういうものなんです。
「燃やした日々河になるよ」
そうして頑張って生きた日々が河になる。
さらさらと河は流れていって、実はどこかの誰かの河と合流していたら嬉しいな。
そんなことに気づかされました。
私にとって「ある車掌」は、孤独を埋めてくれる力強い曲。ひとりでそっと聞きたい曲ですが、いつかこの気持ちを大切な人と分かち合えたら、それはとても素敵なことだろうなあと思います。
聞く機会がありましたら、ぜひ聞いてみてくださいね~(^^)/
↓こちらのアルバムに収録されています!