西洋音楽論 -クラシックに狂気を聴けー / 森本恭正
内容
クラシックはアフタービート。つまり裏拍が強いのだ。
指揮者でもある森本さんが長年の音楽人生の中で友人と討論し、展開してきた数々の持論が一冊にまとめられています。根拠は弱いところもありますが、アイディアはとても面白いです。
感想
クラシック音楽は、現代の感覚で聴くのではなく当時の感覚で聴くのだ。バッハやヘンデルが生きた時代はモーツァルトやベートーヴェンはいないので、モーツァルトやベートーヴェンの知識を捨てた上でバッハやヘンデルを聴かなければならない。そのことを踏まえてクラシックを聴いてみると新たな発見がある。当時の人にとってベートーヴェンのサウンドは現代人のロックにあたるような衝撃があったのかもしれない。
そういった意味の言葉が本の中にあったと思います。これは同時に現代人にとってはクラシックはどう頑張っても昔の音楽なのだと知らしめています。そして伝統は狭い領域で育まれるが生き残っていくためにはあらゆるものを受け入れるしかない。クラシック音楽は生き残りをかけて今後どう変化していくのか。
そんな感じのことが書かれていました。クラシック好きで普段からよく聴く私にとっては中々の衝撃でしたよ。
歴史という切り口から音楽を紐解いていくの、好きです。
お気に入り度
★★★★