ガタカ
内容
遺伝子操作により管理された近未来。宇宙飛行士を夢見る青年ビンセントは、劣性の遺伝子のため希望の無い生活を送っていた。そんなある日、ビンセントは闇業者の手配により、事故により身障者となった優秀な遺伝子をもつ元エリート、ジェロームに成りすます偽装の契約を結ぶ。そうして、ジェロームの遺伝子を借りてエリートとなったビンセントは、宇宙飛行施設“ガタカ”に潜り込む。が、そんな中、彼の正体に疑いを持っていた上司の殺人事件が起こり……。
引用元
感想
上品でいい映画でした!!!
設定に疑問を持つこともありましたが、1つ問題を投げかけて淡々と話を展開していくところがスタイリッシュでかっこよかったです。
以下、ネタバレあります。
スタイリッシュ!
遺伝子操作ができる時代で、劣性の遺伝子を持つ主人公・ビンセント。
宇宙に行く夢を捨てきれず、優性遺伝子を買い、ガタカの宇宙飛行士となります。
対して優性遺伝子を持ち、水泳選手として世界2位の実力を持つが、自ら命を絶とうとしたジェローム。
映画の結末では、一般的に幸せをつかんだと思える方はビンセントでした。ジェロームはビンセントが宇宙に旅立った日に焼身自殺をしてしまうからです。
ガタカの感想を、以下の章立てで語ってみようと思います( ゚Д゚)
- ジェロームはなぜ自殺を選んだのか?
-
遺伝子操作は悪か?
-
人間らしさとは?
1.ジェロームはなぜ自殺を選んだのか?
優性遺伝子によって輝かしい人生を歩んできたはずのジェロームはなぜ自殺をしたのでしょうか。
恐らく自らの空虚さに気がついてしまったのではないかと思います。
ちょっと小難しいことを言ってみます(笑)
ガタカの採用方法を見ると分かりますが、この映画の世界観は遺伝子が全てで採用面接はほぼ会話がありませんでした。つまり人間の評価基準は、人間の身体の強度や優劣、数値といった外面的なものなのです。
しかし人間本来の良さはそこにはありません。
ジェロームは水泳選手なので直に遺伝子が評価される世界で生きてきたのだと思います。そしてジェローム自身もそういう考えで生きていたのでしょう。だから自分の生き方に空虚さを感じ、最期の瞬間も銀メダルにすがることしかできなかったのです。
2.遺伝子操作は悪か?
遺伝子操作ができて、劣性のものは排除される時代。
そんな時代は恐ろしいけれども、「遺伝子操作が悪い」というより、「評価軸が1元的」なことの方が問題があると思います。
劣性だから不適正。劣性だから虐げられる。
なんだ劣性って。
私としては、遺伝子操作はできていいと思います。というか遺伝子操作ができる時代がすぐそこまで来ているので(多分?)、そこで反抗しても仕方がない。
そして遺伝子を自分で選べたらいいですよね。
こういう人間になりたいからこういう遺伝子が欲しい、みたいな具合で。
個性的な人間がたくさん生まれれば面白そうです。
ただ遺伝子に値段がついて、遺伝子格差みたいなものが起きたら嫌だなあ…。
遺伝子操作をしても遺伝子組み換えをしても、美味しいトマトが食べられればそれでいい。
3.人間らしさとは?
結論として、遺伝子操作は仕方がないとしても人間らしさは手離してはいけない、と思います。
さて、ここで問題です。人間らしさって何でしょう。
私は愛だと思います!!どーん!
ロケットどーん!
……え?そんなこと言ってて恥ずかしくないかって?
うん、ちょっと恥ずかしくなってきた。
シラフなのに何を言っているんだ( ゚Д゚)
ま、いいか。ブログだし。
ちなみに、ここでいう愛は範囲が広いです。
叶えたい夢のために努力することも、手に入れた夢を離さないために人を殴ることも嘘をつき続けることも、もちろん人を愛することも、全部愛です!
夢への強い切望のために、ビンセントは宣告された寿命を越え、遺伝子操作をして優秀だった弟との勝負に勝ちます。これもやっぱり愛で、人間らしさだと思います。
ビンセントの生き方を見てジェロームは余計に虚しくなったのでしょう。
このテーマってAIが登場して、AIにはできない人間らしさが重要視されるこれからの時代にも通じることがあるんじゃないかな。
SF映画としての面白さもありますが、1997年に作られた映画でありながら古さを感じさせないところがすごいです。
お気に入り度
★★★★
というか、劇中で宇宙行きたい行くとか言って、全然行かないじゃーん( 一一)
1997年に土星に行く発想があったのって驚き。私の知らないところで人類はどんどん成長していくのね。当たり前か。